それでもスーパーロボットは動くのだ

「人間パワー増幅技術と不整地二足歩行技術に基づく巧緻な搭乗型重作業機械の開発」に係る質疑応答

 このページでは、筆者(マンマシンシナジーエフェクタズ・金岡克弥)が提唱・推進するプロジェクト「人間パワー増幅技術と不整地二足歩行技術に基づく巧緻な搭乗型重作業機械の開発」について、質疑応答形式で解説します。

 本プロジェクトの概要を纏めた資料 [PDF 1.5 MB] を右に載せておきますので、適宜ご参照下さい。

 本プロジェクトがメディアに露出する際、筆者は「ガンダム」という表現を好んで使います。それが原因となり誤解を受けることも有ります。しかし、メディアの限られた情報量では、筆者の言葉の稚拙さも災いして、伝えるべきことが十分に伝わらないのは致し方ないところです。そこで、ここに質疑応答の場を設け、様々な疑問について、纏めてお答えすることとしました。

 このページでは、筆者が直接受けた質問、ネット上に多く見られる意見から筆者が抽出して質問形式に翻案したもの、あるいは予め説明しておくべきと筆者が考えた内容を挙げています。必ずしも、頂いた質問やネット上の疑問の全てを網羅できる訳ではないこと、ご容赦下さい。また、本プロジェクトは現在進行中です。我々開発チームの先行者利益の確保のために、未だ開示できない内容も有ります。そのような内容に関する回答は、残念ながら歯切れが悪くなるか、あるいは全くお答えできないかもしれません。併せてご容赦下さい。

 このページは、頂いたご質問・ご意見によって、また筆者の判断で、予告無く改変もしくは更新・追記します。予めご了承下さい。また、このページの内容は全て筆者の個人的見解であり、筆者の所属する立命館大学の見解ではありません。もちろん、自民党や他の組織の見解でもありません。

 したがって、このページに関するお問い合わせは筆者にお寄せ下さい(→連絡先)。ご連絡頂いても全てに返信はできないかもしれませんが、必要に応じて本ページの記述内容に反映させて頂きます。

目次

ガンダム

Q_0001   ガンダムを開発するのですか?

uploaded at 2012.07.10 (tue) 12:19
last revised at 2012.08.14 (tue) 10:26

 答えは Yes であり No でもあります。

 アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場するガンダムそのものを作るのか、という問いに対しての答えは、明らかに No です。ガンダムそのものを現実世界で作ろうとする試みは荒唐無稽です。理由は、技術的に極端に困難であること、そして、その困難さを乗り越える価値が無いことです。

 アニメや SF にロボットが登場するのには、その作品毎に違った理由があるはずです。例えば『鉄腕アトム』を考えてみましょう。筆者が見るに、鉄腕アトムの世界のテーマは「異質な他者との共存」です(現代の diversity や tolerance といった概念に通じる先見性のあるテーマだったと感嘆します)。物語世界の中で異質な他者を表現する icon が、アトムのような「自我を持つ自律ロボット」だったと。ならば、アトムがロボットである必然性は必ずしも無かったのかもしれません。アトムが異星人や未来人だったとしても、それはそれで、手塚治虫先生なら素晴らしい物語を紡ぎ出されたことでしょう。

 つまり、重視すべきは作品が訴える「異質な他者との共存」というテーマであって、原子力モータ(原子力発電所のような核分裂炉ではない)で動いて十万馬力というロボットとしての属性ではない、ということです。作品が訴えるテーマそっちのけで、ロボットとしての属性にケチを付けるのは、愚の骨頂を通り越して害悪に近いと筆者は考えます。

 そして、ガンダムです。ガンダムの身長や体重、劇中で果たす兵器としての役割などの属性は、作品世界の中でこそ意味を持つのであり、そのまま現実世界に持ってくるのはナンセンスです。

 では何を現実世界に持ってきたいのか?

 筆者は、数多のアニメや SF に共通して描かれる夢である「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」という機能を、現実世界で実現したいのです。

 数多のアニメや SF で各個に描かれる架空のロボットの属性は、前述の理由で現実世界とは関係ありません。工学的に考察するのは野暮というものです。しかし一方で、それらのアニメや SF に、筆者は大いにインスパイアされました。それらの架空のロボットの活躍を視ていなければ、筆者はロボット工学を志さなかったでしょうし、本プロジェクトを立ち上げることも無かったでしょう。それらのアニメや SF へのリスペクトを表現したい、それが、一定の誤解を受けるのを承知で、筆者が「ガンダム」という言葉を好んで使う一番の理由です。

 つまり、ここでの「ガンダム」は、数多のアニメや SF で縦横無尽に活躍する「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」という機能の象徴です。ガンダムそのもの/ガンダムだけを実現するつもりはありませんし、それだとおそらく近未来には実現しないでしょう。そうではなく、ガンダムに象徴されるロボットに託して数多のアニメや SF が描く「巨大人型ロボットによる人間の身体能力の拡張」という夢を実現するのか、という問いであれば、筆者は胸を張って Yes と答えます。

Q_0002   なぜガンダムなのですか?

uploaded at 2012.07.16 (mon) 19:51
last revised at 2014.12.05 (fri) 20:08

 そうですね。Q_0001 で述べたようにガンダムそのものを作るのではないならば、ガンダムなどと言わない方が誤解が無くて良いのかもしれません。しかし、やはり筆者は、象徴として「ガンダム」という言葉を使いたいと思っています。以下にその理由を列挙します。

 第一の理由は、これも Q_0001 で述べましたが、筆者が影響を受けたアニメや SF へのリスペクトを表現したいからです。

 第二の理由は、イメージを共有するためです。我々が目指す「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」という、正確に表現すると長ったらしくなる機能を一言で表現するには好都合です。

 第三の理由は、関心を引くためです。筆者が推進するプロジェクトの「人間パワー増幅技術と不整地二足歩行技術に基づく巧緻な搭乗型重作業機械の開発」という名前では、分野の近い少数の研究者の関心を引くだけでしょう。しかし、ガンダムと表現すれば、当たらずと雖も遠からずのイメージを瞬時に伝えつつ、他分野のスペシャリストや一般の方々などの多くの人の関心を引くことができます。

 第四の理由は、モチベーションを上げるためです。本プロジェクトに関係する研究者・開発者・出資者にとって、「ガンダムを開発するんだ」という想いは大きなドライビングフォースとなります。特に、筆者を含む中堅世代ではそうでしょう。辛うじてまだ日本はロボット工学先進国です。その進んだロボット工学を使って、リアルで可愛い(といっても筆者は気持ち悪く感じますが)女の子ロボットが開発されるよりも、人間の身体能力を拡張する革新的デバイスとしての「ガンダム」が開発される方が、一般の方々にも日本人として誇りに感じて頂けるのではないかと期待します。

 大まかに、以上の四つの理由で、非公式な場に限り、筆者は「ガンダム」という言葉を使いたいと思っています。もし万一、著作権者から「使うな」と言われれば、そのときは仕方ないですが。ただ、いずれ本プロジェクトが、より公式に外部に露出することになれば、著作権者に正式に使用許可を求めることもあるでしょう(あるいは「ガンダム」とは言わず「スーパーロボット」と言い換えるか、ですね)。

Q_0003   ガンダムではなく、他のアニメや SF に登場するロボットではダメですか?

uploaded at 2012.07.16 (mon) 20:41
last revised at 2012.08.13 (mon) 18:18

 ダメではありませんが、ミスリードしてしまう可能性が高いと考えます。例えば、筆者の個人的な趣味で言うならば、『機動戦士ガンダム』よりも超時空要塞マクロス』に登場する可変戦闘機バルキリーの方が、ロボットとしては美しいと思います。しかし、(ガンダムではなく)バルキリーを作るのだと言うと、アニメのバルキリーそのものを作るのだ、というメッセージが強くなってしまうでしょう。

 また、アーマードトルーパーやレイバー、アーム・スレイブランドメイトなどの方が、共有すべきイメージとしては現実に近いのではないかという意見もあるでしょう。筆者もそう思います。とはいえ、それらも「ガンダムより多少は近い」だけのことです。五十歩百歩です。現実世界での実用化を目指すプロジェクトである以上、アニメそのもののロボットを開発する筈はなく、アニメの設定に縛られることもありません。

 つまり、「巨大人型ロボットによる人間の身体能力の拡張」という夢の「象徴」として扱うには、他のロボットでは限定され過ぎてしまって不都合です。他のロボットには、キャッチーな「ガンダム」という表現が内包する非現実的なイメージを現実に近い方向に修正する役目を、筆者の説明の中で担ってもらうことにしたいと思っています。ガンダム以外にも様々なイメージを持つ架空のロボットが山のように居るのが、日本の優位な点でもあるのですから。

ロボット工学

Q_0004   搭乗型よりも装着型(パワードスーツ)の方が現実的では?

uploaded at 2012.07.17 (tue) 14:28
last revised at 2014.12.05 (fri) 20:15

 パワードスーツという言葉の定義に依りますね。パワードスーツという言葉を、モビルスーツまで包含するような広義の概念として捉えることもできます。しかし、ここでは「搭乗型よりも装着型」ということなので、ほぼ人間サイズで、強化服として人体に被せて着るようなロボット(ウェアラブルロボット)を示す、狭義の概念としてお答えします。アイアンマンのようなイメージですね。

 狭義のパワードスーツは、現在のロボット工学技術では実現しないと筆者は考えます。つまり、筆者の結論は、装着型よりも搭乗型の方が現実的だということです。

 ロボットの安全規格の権威である名古屋大学の山田陽滋教授によると、ウェアラブルロボットの機能は、リハビリテーション rehabilitation とオーグメンテーション augmentation とに大別されます。前者のリハビリテーションについては、現在のロボット工学技術でも有効だと筆者は考えています。ウェアラブルロボットのリハビリテーション応用では、筑波大学山海研/サイバーダイン社の HAL などが有名ですね。

 しかし、後者のオーグメンテーションについてはどうでしょうか。筆者は、ウェアラブルロボットのオーグメンテーション応用は困難だと考えます。まず、アイアンマンのようなサイズに、オーグメンテーションのための多数の大出力アクチュエータと、それを駆動・制御するための機器を搭載するのは、スペース的に無理があります。不可能とまでは断言できないにせよ、設計に苦心することは確実です。

 さらに、ウェアラブルロボットのオーグメンテーション応用が困難である、もっと本質的な理由があります。それは、大出力のアクチュエータが人間の肉体を直接動かす構成であるため、安全確保が困難だからです。

 リハビリテーション応用なら小出力のアクチュエータでよいため、暴走しても人力で抑えられるように出力を絞れば、最低限の安全確保は可能です。しかし、オーグメンテーション応用では大出力のアクチュエータを使います。万が一、ロボットが暴走した場合、大出力アクチュエータが人体を暴走させることになります。そうなったら目も当てられません。老婆心ながら、サイバーダイン社も HAL の実用化は福祉用だけに留めておくのが得策だと進言しておきます。

 一方、搭乗型であれば、コックピットの中に操縦者をパッケージすることができます。ロボットの動作と人間の動作とは機械的に分離されており、電気的にのみ繋がっています。万一ロボットが暴走したとしても、その瞬間に電気的な接続を切れば、操縦者の最低限の安全性は確保することができます。

 以上の理由により、装着型よりも搭乗型の方が現実的だと筆者は結論します。

Q_0005   搭乗型よりも遠隔操縦型(テレオペレーション)の方が現実的では?

uploaded at 2012.07.20 (fri) 15:04
last revised at 2012.08.13 (mon) 18:02

 確かに、原子力発電所などの危険箇所にロボットだけが入って、人間は安全なところから遠隔操縦することができれば便利ですね。確実な通信手段が確保されているならば、遠隔操縦の方が良さそうにも思います。我々の技術も、必ずしも遠隔操縦を否定するものではありません。

 しかし、当面目標とする実用機としては、やはり搭乗型を目指します。その理由は、自動車や重機が一般には遠隔操縦型でないのと同じです。

 操縦者自身を運ぶことを目的とする自家用車は別として、操縦者以外の人や荷物を運ぶことを目的とするタクシーやトラックなどは、遠隔操縦にできるならした方がいいですね。でもそうはなっていません。人が搭乗しています。個別の理由の詳細は当面ここでは考察しませんが、技術的な観点からの最大の理由は、やはり確実な通信手段が確保できないことでしょう。

 同様に、パワーショベルなどの重機も、作業さえできればいいので、遠隔操縦型が一見いいように思います。でも一般には、そうはなっていません。人が搭乗しています。例外的に一部で遠隔操縦型の重機が実用化されています(福島第一原発でも活躍しているそうです)が、重機の基本は搭乗型であり、遠隔操縦型は搭乗型を改造したものです。もし放射線被曝という制約が無ければ当然、搭乗型が使われていたはずです。

 本プロジェクトで目指す搭乗型ロボットは、筆者が提唱するマンマシンシナジーエフェクタ(人間機械相乗効果器)という概念に基づいています。人間と機械の相乗効果を重視するマンマシンシナジーエフェクタにおいては、人間が「その場に居ること」が重要な要素になります。操縦者が搭乗しているのと遠隔操縦しているのとでは、(たとえ確実な通信手段が確保できたとしても)明らかに前者の操縦のクオリティの方が高いはずです。このように、操縦者が搭乗していることを積極的に活かそうとする概念がマンマシンシナジーエフェクタなのです。

 したがって、本プロジェクトの基本は搭乗型です。まず搭乗型の実用機開発を行ないます。その後、技術が発達してくれば、原発のような特殊用途においては我々の技術を遠隔操縦型へ派生応用することも可能ですし、そうしていきたいと思います。あくまで主流は搭乗型で、遠隔操縦型は特殊用途におけるマイナーな派生です。

Q_0006   どうやって人間パワー増幅を実現するのですか?

uploaded at 2012.07.30 (mon) 20:53
last revised at 2014.06.07 (sat) 11:38

 いい質問ですね。筆者は研究者ですので、こういう質問は嬉しく思います。技術の詳細に立ち入ることは避けますが、少しだけ紹介させて頂くことにしましょう。

 まず「人間パワー増幅技術」とは何か、説明が必要ですね。これは、生身の人間のパワーを超人ハルクのように増幅する技術、ではありません。そうではなく、人間と、人間より桁外れに大きなパワーを発揮する大出力ロボットとを、直感的にインタフェースする技術です。つまり、人間が大出力ロボットを、まるで自分の身体のパワーが増幅されたかのように、まるで大出力ロボットが自分の強化された身体であるかのように、思い通りに操るための技術です。フルメタル・パニック』のアーム・スレイブ『アップルシード』のランドメイトのような、人間と大出力ロボットとの双方向インタフェース(バイラテラルマスタスレーブ)を実現する、と考えて頂ければいいでしょう。

 なぜこのような技術が必要なのでしょうか。ガンダムを含む多くのロボットでは、操縦者は、主にレバーやペダルで操作しているようです。これを工学的に実現するのは難しいですね。なぜなら、ロボットが持つ自由度数に比べて、レバーやペダルで入力できる自由度数が圧倒的に少ないからです。レバーやペダルでロボットの全身動作を直接操ることは困難です。すると必然的に、操縦者は「歩け」とか「走れ」とか、パンチ、キックなどの「動作の概略」のみを指示し、具体的に実行される動作の詳細はコンピュータに補完させることになります。こちらは、『機動警察パトレイバー』の LOS = Labor Operating System をイメージして頂ければよいでしょう。

 しかし、そのようなコンピュータソフトウェアは、現在のロボット工学では初歩的なレベルしか実現できていません。メディアに露出しているものの多くは、まだオモチャであり(例えば V-Sido とか)、未知の環境下での汎用作業に使えるようなレベルではありません。もちろん物理的に不可能ではなく、多くの研究者が真剣に研究していますので、そう遠くない未来に実現できるかもしれませんが、今のところは実現できていません。

 そこで、人間パワー増幅技術です。この技術であれば、既に実験室内では完成に近いレベルに達しています。言語化できない人間の身体スキルを、言語化せずに身体スキルのままロボットに繋ぐことで、コンピュータによる補完を最小限にし、現在のロボット工学技術で実用化可能にするのです。

 人間パワー増幅技術は、既存のロボット工学のカテゴリでは「マスタスレーブ」や「ハプティクス」に該当するでしょう。しかし、マスタスレーブにせよハプティクスにせよ、既存の多くの研究では、遠隔地点間あるいは仮想空間とのインタフェースに主眼が置かれてきました。また、マスタ(操作する側)とスレーブ(操作される側)の大小関係は、暗黙の内に「マスタ ≥ スレーブ」と想定されていました。

 それに対して、本プロジェクトで我々が目指すのは、通信時間遅延が無視できる現実の近接地点間で、人間と大出力ロボットとの双方向インタフェースを確立し、直感的に繋ぐことです。マスタとスレーブの大小関係は、ここでは明確に「マスタ << スレーブ」です。

 このように問題を捉え直すと、実は既存のロボット工学技術では、人間パワー増幅を実現するために足りないパズルのピースがあることに気付きます。我々は本プロジェクトで、足りないピースを一つづつ埋めてきました。そのようなピースとしての基盤技術の一つに、

があります。これは、大出力ロボットをスレーブとするパワー増幅マスタスレーブシステムにおいて、マスタでの巧緻な操作を実現する、我々独自の制御手法です。中身は非常に単純な制御則なのですが、このような単純な制御則がこれまで提案されてこなかったほど、この分野の研究は空白でした。

 このような技術を積み上げることにより、我々は、以下のような実験機を開発してきました。

これらの実験機は、今のところ高々3〜4自由度のアームですが、自由度数をもっと増やすこともできますし、ハードウェアを大出力化すれば増幅率をもっと上げることもできます。ハードウェアが変わっても基本的な制御則はそのままですので問題ありません。我々は、これらを以て、実験室レベルでの人間パワー増幅技術は既に完成したと考えています。

 レバーやペダルではなく、また不完全な現実の LOS でもなく、この人間パワー増幅技術を用いることで、人間と、人間より桁外れに大きなパワーを発揮する大出力ロボットとを、直感的にインタフェースすることができます。つまり、大出力ロボットが自分の強化された身体であるかのように、思い通りに操ることが実現できるのです。

Q_0007   どうやって不整地二足歩行を実現するのですか?

uploaded at 2012.08.03 (fri) 14:03
last revised at 2012.08.14 (tue) 10:42

 まず、現在のロボット工学では、ロボットによる不整地二足歩行を十分な性能で実現できていないことを指摘しておきます。確かに ASIMO に代表されるように、多少の不整地を踏破する二足歩行ロボットは存在します。しかし、それらは

という意味での不整地二足歩行です。一方、我々は、実用レベルの不整地二足歩行を標榜するためには、

を、ロボットにおいて実現しなければならないと考えています。そうでなければ歩行ロボットである意味が薄れます。もし、車輪や無限軌道と同等以下の不整地踏破性しか無いのであれば、ガンダムではなくガンタンクやヒルドルブを象徴としなければなりません。車輪や無限軌道では走破できない程の不整地をバシバシと踏破できてこそ、歩行というモビリティが有意義になります。そういう意味で、不整地二足歩行を十分な性能で実現できているロボットは、今のところ存在しません。

 では、なぜ不整地二足歩行は実現されていないのでしょうか。大きなボトルネックは「不整地歩行とは豊富な先験的知識を必要とするスキルである」ということだと筆者は考えています。平たく言えば、これから足を踏み出そうとする路面の特性と、その路面に対応する適切な動作を、ある程度は知っておかないと歩けない、ということです。

 人間は、路面を一瞥すればその特性を知ることができます。固いのか柔らかいのか、引っかかるのか滑るのか、浮くのか沈むのか、等々。そしてその判断は、コンクリートの路面は固く、その上に乾いた砂が浮いていれば滑る、というような先験的知識を持っているからできることです。そのような先験的知識を利用できなければ、人間の不整地二足歩行も極端に性能が下がるのです。

 人間のような先験的知識に基づく判断力をロボットに持たせることは難しく、したがって人間と同等以上の不整地踏破性を持たせるのも今のところは困難だと結論づけられます。

 では、どうすればいいのでしょうか。我々は、全てをロボットの自律制御に任せてしまうのではなく、人間とロボットが協力して不整地二足歩行を遂行する、という解決策を提案しています。これは、筆者が提唱するマンマシンシナジーエフェクタ(人間機械相乗効果器)の概念に基づく解決策です。人間のような先験的知識に基づく判断力をロボットに持たせることが難しいなら、その判断は人間が行なえばよい、ということです。これなら、現在のロボット工学で実現可能ですし、操縦者のスキル次第では、ロボットが支援することで人間を凌駕する不整地踏破性も十分に期待できます。詳細の解説は長くなるので省きますが、興味のある方は以下の資料を参照して下さい。

 そして、このような解決策で不整地二足歩行を実現するならば、やはり遠隔操縦型ではなく搭乗型の方が有利です(自動車の運転と同様に、操縦に関する通信遅延・途絶は致命的であるため)。

 さらに、不整地踏破性を高めるためには、まだ解決しなければならない問題があります。その重要な一つが、ロボットの足底形状です。現在の二足歩行ロボットの足底形状は、ほぼ二種類に集約されます。一つは、床面と一点で接触すると見做せる、棒の先端のような足底です。もう一つは、弁当箱のような平面の足底です。

 足底が点接触である代表的なロボットは、MIT Leg Laboratory の歩行ロボットでしょう。MIT Leg Laboratory を創設した Marc Raibert 博士は現在 Boston Dynamics 社長であり、PETMAN もこの流れの上にあります。足底が点接触であれば、いわゆる ZMP = Zero Moment Point は常に足底の接地点に拘束されるため、動的な歩行制御がシンプルになるという利点があります。その一方で、容易に想像されるように、佇立(ちょりつ:じっと立っていること)能力は低くなります。電源を切るとすぐに転倒してしまうような足底形状を、巨大二足歩行ロボットに採用することはできません。さらに、足底の底面積が小さいので、

という問題点もあります。やはり、点接触の足底形状は、巨大二足歩行ロボット向きではないようです。

 では、もう一つの、弁当箱のような平面足底ではどうでしょうか。代表選手は言わずと知れた ASIMO や産総研の HRP-2 等ですね。佇立能力は比較的優れており前述の問題は解決されそうですが、暗黙の内に平面上の歩行しか想定していない足底形状ですから、不整地上ではグラグラして歩行が成り立たなくなる可能性があります。分かりやすい例を挙げると、ロボットが路面の突起を踏んでしまうと、足首を挫いたりするのです。巨大二足歩行ロボットが足首を挫くところは、あまり見たくないものです。

 既存の点足底も平面足底も、巨大二足歩行ロボットには使えなさそうです。つまり、足底形状についても足りないパズルのピースがあったということです。そこで我々が考えたのが「リモートセンタ足部機構」という技術です。詳細については、以下の資料を参照して下さい。

 以上のような我々の技術を使うことで、冒頭に述べたような「そもそも基準となる水平面が存在しないような未知環境下で、人間と同等以上の頑健な踏破性を持つ不整地二足歩行」を、現在のロボット工学で実現できます。

Q_0008   なぜ人型(二腕二脚)でなければならないのですか?

uploaded at 2012.08.03 (fri) 17:16
last revised at 2012.08.24 (mon) 12:25

 ロボットが人型である理由は、「ロマン」なのでしょうか。否定はしませんが、それだけではロボットはオモチャになってしまいます。そうではなく、合理的な理由が必要です。二足歩行の合理性についても議論百出です。特に「二脚ではなく多脚の方が安定して良いのではないか」という議論には、一定の説得力があります。ここでは、なぜロボット、それも巨大ロボットを人型にするべきなのか、我々の考える理由を述べます。

 結論から言えば、我々が巨大ロボットを人型にする理由は、「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」を人間のあらゆる身体スキルにおいて実現したいからです。人間にできるほぼ全ての作業を人間以上の能力でこなせる汎用ロボット、それでいて、操縦者が自らの身体の延長として思い通りに操れるロボット、となると、人型が最も適しています。なぜなら、人は生を受けてからずっと、己の人体という人型デバイスを操って思い通りに作業することをトレーニングしてきたのですから。

 人間とロボットを直感的にインタフェースする技術(先の Q_0006 で解説した「人間パワー増幅技術」参照)さえ作り込めば、人型ロボットは人体の直接的な延長になります。それは最近よく耳にするような BMI = Brain-Machine Interface 技術ではなく、自己の身体を介したフィジカルなインタフェースです。使い込んだ道具が職人の身体の一部になっていくように、ただの道具なのに、まるで自分の神経が道具の先にまで延びたように感じる。その感覚の実現をロボット工学技術によって手助けするのです。

 パワーショベルのような原始的なインタフェースでも、そのような感覚は実現できます。そもそも人には、道具を身体の一部として操る能力が備わっているからです。ただ、そのためには、正に職人としての何年もの熟練が必要です。パワーショベルよりも極端に複雑なデバイスであるロボットを、そのような原始的なインタフェースで使いこなすのも不可能ではないでしょうが、それこそパワーショベル以上の厳しい修行が必要になるでしょう。それはそれでロマンかもしれませんが現実的ではありません。そうではなく、ロボット工学に基づく人間パワー増幅技術で人間とロボットとをフィジカルに密接に繋ぐことで、自己の身体イメージを、道具としてのロボットに容易に投射できるようにするのです。

 そのような自己の身体イメージの投射対象としてのロボットが人型(二腕二脚)の大出力ロボットであれば、つまり、自分の腕を動かせばロボットの腕が同じように動き、自分の脚を動かせばロボットの脚が同じように動き、さらにはロボットの感覚が自分に還ってくるならば、即「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」の実現が期待できます。

 しかし、もし投射対象としてのロボットが人体と似ても似つかない形、例えば『機動警察パトレイバー』の「ぴっけるくん」のような三脚や、太陽の牙ダグラム』の「クラブガンナー」のような四脚だったとしたら、我々は自分の二本の足でどう操作すればいいのか、途方に暮れてしまいます。そのようなロボットでは人間パワー増幅技術ではない技術を使わなければなりません。すなわち人間の身体スキルに直接繋ぐのではなくコンピュータに動作を補完させることになりますが、やはり Q_0006 で述べたように、現在のロボット工学では初歩的なレベルしか実現できておらず、実用化には今しばらく時間が必要でしょう。

 自律歩行制御技術としては、例えば BigDog はいいところまで行っているとは思いますが、それでも巨大ロボットとして使用するには不十分だと推察されます。巨大ロボットは、単にコケなければいい、というレベルではダメですからね。よりプライオリティの高い要求があれば、むしろ積極的に転倒しなければならない場合だってあります。そのプライオリティの判断を自律で行なわせるのは、やはり今のところ困難です。

 改めて纏めると、人間と大出力ロボットとを直感的にインタフェースする技術(人間パワー増幅技術)の使用を前提とすれば、「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」のためには人型(二腕二脚)が最も適しており、多脚等の人型以外の形態に比べて、むしろ実用化にも近い、ということです。

 なお、何らかの特定のタスク、特に人間が通常行なわないような特殊タスクをこなすことを目的とする場合には、必ずしも人型に拘束される必要はありません。例えば「空を飛ぶ」という特殊タスクを考えれば、二腕二脚ではなく翼を加えるのが当然ですし、いくら直感的だからといっても羽ばたく動作を人間にさせるようなナンセンスなインタフェースもナシですね。タスクを効率良くこなせる形態とインタフェースにモディファイすべきです。しかし、その場合でも、人間パワー増幅技術の使用を前提とするならば、人型をベースとしてモディファイすることには大いにメリットがあるでしょう。ガウォークのように。

実現可能性

Q_0009   身長 18 メートルもの巨大人型ロボットなど作れないのでは?

uploaded at 2012.08.05 (sun) 18:14
last revised at 2012.08.10 (fri) 12:53

 現在の技術では、ガンダムのような身長 18 メートルもの巨大人型ロボットを作るのは確かに難しいと思います(将来的にも不可能であるとは思いませんが)。一方で、本プロジェクトの目的は「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」です。オーグメンテーションのためには、ロボットは大きい方が一般的には好都合です。

 そして Q_0003 で述べたように、これは現実世界での実用化を目指すプロジェクトです。アニメそのもののロボットを開発する筈はなく、アニメの設定に縛られることもありません。

 ならば答えは一つです。オーグメンテーションを実現するための大出力アクチュエータを操縦者と機械的に分離した形で無理なく搭載できるように人間サイズより大きく(アイアンマンでは無理があります → Q_0004 参照)、かつ現在の技術で実現可能な程度の巨大さ(要は、作れる大きさ)に抑えた人型ロボットを開発するのみです。

 初期の実用化において我々が想定するサイズは身長 2 〜 5 メートル程度です。例えば『アップルシード』のランドメイトや装甲騎兵ボトムズ』のアーマードトルーパーは、この範疇にありますね(もちろんランドメイトやアーマードトルーパーそのものを開発するのではありません。「まずはマッスルシリンダーが必要」等の陳腐な意見は勘弁して下さい)。そのサイズであれば、ガンダムに比べれば小さいですが生身の人間に比べれば巨大であり、しかも現在の技術で実用レベルの力とスピードを発揮できるでしょう。つまり、オーグメンテーションの効果を十分に発揮することができます。そして初期の実用化が成功すれば、その後は、用途に応じた適切なサイズへ自ずと分化して発展するでしょう。

Q_0010   巨大人型ロボットを歩かせたら足が地面にめり込んでしまうのでは?

uploaded at 2012.08.05 (sun) 19:22

 身長 18 メートルだとシビアな問題ですが、我々が想定する身長 2 〜 5 メートル程度であれば、比較的容易に解決可能であると考えます。

 本プロジェクトでは、Q_0007 で述べた、我々の保有する技術「リモートセンタ足部機構」を使います。この技術によって、不整地上でも足底面積を広く確保することができます。泥や砂、雪の上のような極端に柔らかい地面でない限り、致命的な問題にはならないでしょう。

Q_0011   巨大人型ロボットを歩かせたら搭乗者が無事では済まないのでは?

uploaded at 2012.08.05 (sun) 19:40
last revised at 2014.12.29 (mon) 20:41

 よく見る意見ですが、これは何でしょうね。柳田理科雄『空想科学読本』の pp.69-84 に、マジンガー Z に乗った兜甲児は無事では済まない、とこき下ろす考察がありますが、その受け売りでしょうか。こんな考察は、少なくとも工学ではありません。科学的思考のトレーニングを受けていない人間の詭弁です。ロボット工学研究者の中にも、同様に「ガンダムが一歩踏み出すと着地の瞬間に操縦者は即死」というようなことをメディアで得意気に語る人が居るようです。正直、工学者としての適性を疑います。

 工学とは、一見できないように思えることでも、それが物理的に不可能でない限り、先人の偉大な業績の上に着実に技術を積み重ねて行くことでいつかは実現してしまう、人類のポジティブな意志の体現です。柳田理科雄氏のように何でもデキナイデキナイとネガティブに捉えるのは勝手ですが、科学や工学を騙って若い人たちを「デキナイ君」にするのは、止めて頂きたいと強く願います。

 ましてや、巨大人型ロボットの搭乗者が無事では済まないとか、振動と衝撃で圧死するとか、という問題はほとんど言い掛かりであり、既存の安全技術で容易に解決可能です。ハードウェア的には、サスペンション・エアバッグ等の安全装置を設置し、ソフトウェア的には、規定値以上の加速度およびジャーク(躍度あるいは加加速度)が操縦者に加わらないように関節駆動を制御することで操縦者は安全に保たれます。ロボットの全関節の制御に、アクティブサスペンションを重ね合わせることもできます(やりすぎると、篠原重工のイングラム・エコノミーのように「下半身のバネがフニャフニャだ」と言われてしまいますが)。

 例えば、多くの健康な成人にとってはジェットコースター程度の加速度・ジャークであれば楽しいとさえ感じられます(ジェットコースターには申し訳程度のサスペンションしかなさそうなのに、です)。巨大人型ロボットがジェットコースター程度の加速度・ジャークで動くならば、通常の作業においては十分な機動性であり、適切なサスペンション機構が付加されているならば、操縦者は寧ろ快適でしょう。

 さらに、転倒時等の事故対策も必須ですが、それも既存の乗物の安全技術に加えて、搭乗型二足歩行ロボットに適した安全技術を実装することで対応可能です。本質的な問題はありません。もし「操縦者のスキル次第で転倒事故が起きるような乗物は危険だから実用化できない」ならば、二輪のオートバイは全面的に禁止しなければなりません。しかも、二輪のオートバイの転倒対策については現状ほぼ無策と言って良い(その割には皆バイクをホイホイ乗り回している)のに対して、二足のロボットには、サスペンション・エアバッグ等の安全装置に加え、転倒防止アルゴリズムとしてのオートバランス機能や、万一の転倒時の緩衝制御アルゴリズム(つまり受身)が実装されるはずです。もちろん二足である以上は転倒リスクをゼロにすることは出来ないのですが、高速走行時に転倒すれば即、命に関わる二輪車の転倒リスクよりも、搭乗型二足歩行ロボットの転倒リスクを低く抑えることは可能だと考えます。

Q_0012   ミノフスキー粒子、熱核反応炉、ガンダリウム合金が無いとガンダムは開発できないのでは?

uploaded at 2012.08.05 (sun) 19:11

 ガンダムという表現をしてしまったばかりに、このような疑問を起こさせることになってしまいました。申し訳ありません。なぜガンダムなのか、については Q_0002 に述べてありますのでご参照下さい。

 そして Q_0001 で述べたように、ガンダムの身長や体重、劇中で果たす兵器としての役割などの属性は、作品世界の中でこそ意味を持つのであり、そのまま現実世界に持ってくるのはナンセンスです。

 これは現実世界での実用化を目指すプロジェクトです。ミノフスキー粒子、熱核反応炉、ガンダリウム合金などのオーバーテクノロジーは利用できませんから、当然ながら、利用できる現在のリアルテクノロジーを利用するまでです。

Q_0013   エネルギーはどうするのですか?

uploaded at 2012.08.05 (sun) 20:29
last revised at 2012.08.13 (mon) 18:52

 我々が想定する身長 2 〜 5 メートル程度であれば、ガンダムの熱核反応炉のようなオーバーテクノロジーの助けを借りる必要はありません。

 アクチュエータの基本は電動です。大出力という点では油圧に軍配が上がりますが、ロボットとしての高精度な制御性能については、電動サーボモータに勝るものは今のところありません。油圧には敵わないにせよ、電動重機や電気自動車の発達に伴い、大出力の電動サーボモータも進歩しつつあります。電動サーボモータを採用するべきでしょう。

 では、大出力の電動サーボモータにどのように電力を供給するかですが、通常の作業用機械であれば、外部電源から有線で供給する方法が考えられます。エヴァンゲリオンのアンビリカルケーブル方式ですね。

 何らかの理由でケーブルレスの内部電源としなければならないならば、当面は、実験室レベルではバッテリ、実用レベルではエンジン発電機を搭載したシリーズハイブリッド方式となるでしょう。ただしこれも、電気自動車の発達に伴って大出力バッテリの技術レベルは近い内に長足の進歩を遂げることは必至ですので、いずれはその技術を転用して実用レベルにおいてもバッテリ化することになるでしょう。

Q_0014   十億円でガンダムが開発できるのですか?

uploaded at 2012.08.06 (mon) 19:25

 まず、Q_0001 で述べたように、ここでの「ガンダム」は、数多のアニメや SF で縦横無尽に活躍する「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」の象徴です。ガンダムそのもの/ガンダムだけを実現するのではありません。

 そして本プロジェクトの目的は「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」です。我々は、そのために必要な要素技術を検証する実験機を幾つか開発している段階です。

 現在の本プロジェクトの進捗は、数百万円単位の予算が確保できたら実験機を一つづつ作り、ジリジリと匍匐前進している状態ですが、正直、埒が明きません。必要な基盤技術は既にほぼ揃っているのです。ここに十億円を投入すれば何ができるか。十億円あれば、人間の二腕二脚の統合された身体能力を拡張することができる、人が搭乗して思い通りに操る身長 2 〜 5 メートルの人型ロボットのプロトタイプが、一気に実現できると考えています。期間は、資金投入から五年以内を見込んでいます。

 このプロトタイプには、人間パワー増幅技術不整地二足歩行技術が実装されているので、人間のパワーを数倍〜数万倍に増幅しつつ、例えば瓦礫のような不整地でも人間と同等以上に頑健に踏破することが可能となります。これはガンダムそのものの実現ではありませんが、我々がガンダムに託す夢を白昼夢ではなく現実にする大きな一歩です。

 ただ、これは人間パワー増幅と不整地二足歩行という二つの基盤技術の feasibility study のためのプロトタイプに過ぎません。安全性・耐久性・意匠などは、必要最低限の実装となるでしょう。つまり、十億円で実用レベルの量産化試作機ができるわけではありません。

Q_0015   ガンダムを開発するには八百億円かかるのではないのですか?

uploaded at 2012.08.06 (mon) 20:40
last revised at 2012.08.14 (tue) 11:02

 ああ、この試算ですね。ガンダムの身長や体重、劇中で果たす兵器としての役割などの属性は、作品世界の中でのみ意味を持ちます。中途半端にアニメの設定を具現化することに何の意味があるのか。

 我々の「ガンダム」は、数多のアニメや SF で縦横無尽に活躍する「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」という機能の象徴であり、アニメの設定とは関係なく、現実世界での「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」を目指すものです。

 したがって、先の試算は本プロジェクトにとって無意味であり、無視して構いません。

Q_0016   税金でガンダムを開発するのですか?

uploaded at 2012.08.07 (tue) 11:19

 本プロジェクトは筆者の研究者人生を懸けたライフワークであり、お金が有ろうが無かろうが、成功するまでは這ってでも続けます。「十億円もらえたら作ります」裏を返せば「もらえなかったら作りません」ということではありません。

 国から研究費が入れば、確かに助かります。しかし同時に、官僚による干渉も覚悟しなければなりません。それが真に国民のための干渉であれば良いのですが、残念ながら官僚の保身のための干渉であることが多いように見受けられます(もちろん立派な官僚も居られますので、筆者の邪推であれば良いのですが)。税金からの研究費を使わせて頂くことはありがたいことですが、嬉しいことばかりでもありません。

 特に、研究費と引き換えに我々が本プロジェクト遂行のイニシアチブを失うことは何としても避けなければなりません。本プロジェクトを手弁当で進めるために筆者は研究者としてのキャリアと収入の多くを投げ出していますし、何より、ガンダムという夢を見据えつつも夢やロマンに傾きすぎず、また現実を見据えつつも現実的(陳腐)になりすぎない、絶妙のバランスを維持しなければなりません。そのためには、本ページで述べているような我々の理念が必要だと自負しています。

 とはいえ、資金が潤沢であれば、研究開発は大いに加速するのも事実です。さらに、資金が十分でないばかりに、多くの権利を我々は既に失っています。我々は本プロジェクトの基盤技術としての特許を幾つか出願していますが、それらの権利は、良くて日本と米国、普通は日本国内でしか押さえられていません。多くの国に特許を出願するには、お金がかかるからです。また、数ある派生技術については、そもそも権利化自体が最初から断念されています。

 例えば、不整地二足歩行技術の基盤技術である「リモートセンタ足部機構」の特許

は、我ながら独創的な技術だと考えており国際出願しましたが、結局資金難のため、日本以外の権利は放棄せざるを得ませんでした。つまり、国外では、この特許技術を勝手に使っても問題ない、ということになっています。

 折角の「ガンダム」プロジェクトです。日本で研究開発を行ない、日本人の夢を実現し、日本に貢献したいと願います。日本は国際競争の中で、ロボット工学技術においても他国にキャッチアップされつつあります。ならば、「ガンダム」に夢を託す日本人に、同志として本プロジェクトを支援して頂き、我々だけのプロジェクトではなく皆のプロジェクトだと感じて頂けたら、嬉しく思います。

実用性

Q_0017   巨大人型ロボットが何の役に立つのですか?

uploaded at 2012.08.07 (tue) 13:08

 むしろ、なぜ役に立たないと考えられるのかが疑問です。本プロジェクトが目的とする「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」が実現できれば、人間の精妙かつ巧緻な身体スキルが、人間の身体能力の制約に縛られずに活用できるようになるのです。

 生身の人間が汗水垂らしながら肉体を酷使し、健康を擦り減らしながら働く「苦役」は、未だに至る所に存在します。巨大人型ロボットを上手く活用すれば、そのようなフィジカルな苦役から、人類を解放することができます。我々が本プロジェクトで目指す究極の目的はそこにあります。

 具体的なイメージとしては、『機動警察パトレイバー』の世界観が、我々の目指す方向に多くの点で合致しているでしょう(何度も強調しますが、だからといって劇中のレイバーそのものを作るわけではありません。あくまで巨大人型ロボットの使われ方の参考です)。巨大人型ロボットは「レイバー」として、農林水産・土木建築・物流運搬・防災復興等における重作業に使われ、人類をフィジカルな苦役から解放する役目を担います。大いに役に立ちます。

Q_0018   巨大人型ロボットよりも介護ロボットの方が役に立つのでは?

uploaded at 2012.08.07 (tue) 13:52
last revised at 2012.08.14 (tue) 11:30

 まず、これはどちらか一つを選ばなければならない排他的な問題ではないので、もし役に立つのなら両方開発するべきです。その上で、介護ロボットについて筆者の個人的意見を以下に述べます。

 介護ロボットの定義にも依りますが、もし介護ロボットというのが、人間の代わりに要介護者を介護する自律ロボットを意味するならば、そんなものを作るべきではないと筆者は考えます。なぜなら、本来、人が人として人を介護するべきだからです。

 もちろん、介護という重労働を、将来的にも人「だけで」する必要はありません。ロボット工学技術を駆使して介護負担を軽減できるツールを作るならば、大いにやるべきです。そういう意味での介護ロボットならアリでしょう。しかし、あくまで介護する主体は人であるべきです。

 これからの日本では高齢化が進むから介護ロボットが必要、という議論がありますが、倫理的観点のみならず経済的観点からも眉唾のように思います。なぜなら介護ロボットは、直接に国を富ませる仕事をしないからです。介護ロボットを使って国を富ませるためには、介護ロボットを使って空いた時間で、これまで介護をしていた人が働きに出なければなりません。そして介護ロボットを使うためには、まず高価な介護ロボットを買うかリースしてもらわなければなりません。やっと働きに出ても、当分の間は介護ロボットのローン返済に給料が消えて行くでしょう。

 介護ロボット産業は儲かるかもしれませんが、果たして国は豊かになるのでしょうか。識者は「お金が回るから豊かになる」と言うかもしれません。確かにそうでしょう。しかし、人が働いたら豊かになるというのはアタリマエのことです。問題は、高度なロボットを苦労して導入しても労働力人口が増えるだけで労働生産性はあまり向上しなさそうだということです。それはつまり、庶民の立場では「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざり」という啄木の想いを、未だに共有しなければならないかもしれないということです。

 そのうえ自律介護ロボットは、人と人とのコミュニケーションを分断する。それこそ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』で描かれた「貴腐老人」の社会が実現してしまうかもしれません。

 それはあるべき未来じゃない。

 我々はこう考えます。かつてソロバンがコンピュータになって人は単純計算から解放され、同時に人が利用できる計算能力も桁違いに向上したように、巨大人型ロボットを導入すれば人はフィジカルな苦役から解放され、同時に人が発揮できるフィジカルな労働生産性も桁違いに向上するはずです。巨大人型ロボットに農林水産・土木建築・物流運搬・防災復興等における重作業、すなわち直接に国を富ませる仕事をさせれば、高い労働生産性を以て確実に国は豊かになります。単純肉体労働者ではなく高度なスキルを持ったスペシャリストとして巨大人型ロボット操縦者の雇用を確保することができます。単純肉体労働者として酷使するために、金に飽かせて外国から人を連れてくるような失礼なことも、する必要が無くなるでしょう。

 さらにそうして得た富を、政治の力で国内の福祉に適切に分配することで、人が人として、温かく人を介護することができる余裕を創り出す。国が豊かになれば、介護士も高給で遇することができるでしょう。高齢化が進み家族への介護負担が大きくなりすぎるなら、介護ロボットではなく介護士に「人として」分担してもらう。そのような未来のために、我々は巨大人型ロボットを開発します。

Q_0019   巨大人型ロボットを開発したら兵器として軍事に転用されてしまうのでは?

uploaded at 2012.08.07 (tue) 19:49
last revised at 2012.08.26 (sun) 12:22

 難しい問題ですが、一般論として一つ言えることは、ロボットは汎用性が大きな特徴ですから、兵器として役に立たないロボット工学技術であれば、それはおそらく他の用途にも役に立たないだろう、ということです。我々が目指す巨大人型ロボットは、軍事転用されれば確実に役に立ちます。しかし、だからこそ、その技術は、平和主義を標榜する日本が押さえるべきです。つまり、兵器に使われるから開発しないのではなく(日本が開発しなくても必ず他国が開発して軍事転用します)、兵器に使われるからこそ他国に先んじて日本で開発し、平時から民生品として世界一の技術レベルを維持すべきです。

 以下は筆者の個人的意見ですが、日本は平和の旗手として論理と良心を以て他国と協調して行く道を最優先で選択するべきだと考えます。たとえ甘チャンと言われようが、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄した以上は、その道を貫くべきです。むしろそれは日本の強さともなるでしょう。しかし一方で、論理と良心の通用しない他国からの急迫不正の暴力に対しては、自衛権を行使すべきだとも考えています。そのためには兵器は必要であり、兵器イコール悪だとは考えていません(甘チャンのシロー・アマダでさえ陸戦型ガンダムで戦ったのです)。そして自衛権を強力に行使するためには、核兵器のような非人道的かつ使い勝手の悪い大量破壊兵器ではなく、巨大人型ロボットのような小回りの効く兵器を最大限に活用して、自国・他国双方の市民を巻き込まず軍事拠点のみの完全制圧・無力化を遂行するのが、最も人道的な自衛権行使の方法ではないでしょうか。

Q_0020   巨大人型ロボットを開発しても的になるだけでは?

uploaded at 2012.08.08 (wed) 12:32
last revised at 2012.08.24 (fri) 12:15

 兵器としての巨大人型ロボットが役に立つか、という問題ですね。ロボットは汎用性が大きな特徴ですから、民生品としての巨大人型ロボットが、農林水産・土木建築・物流運搬・防災復興等における重作業において役に立つならば、兵器としても役に立ちます。民生品としては役に立つが兵器としては役に立たない、というロボット工学技術を考えるのは、むしろ難しい問題です。なお、ロボットを兵器として軍事転用することについての筆者の考えは、Q_0019 を参照して下さい。

 さて、兵器としての巨大人型ロボットは「大きな的になって撃たれて終わりだから役に立たない」という意見をよく目にしますが、これは戦技のみに着目し、戦術・戦略を無視した意見のように思います。「ガンダム」と言ってしまっている以上、アニメ上での活躍にイメージが引っ張られるのは仕方のないことではありますが、やはり本プロジェクトは現実世界にあることを前提として考えなければなりません。

 Q_0008 で述べたように、何らかの特定のタスク、特に人間が通常行なわないような特殊タスクをこなすことを目的とする場合には、人型に拘束される必要はありません。戦闘機や戦車は、特殊タスクをこなすために特化した設計が為されています。汎用性を利点とする巨大人型ロボットとは活用の仕方が違うのです。巨大人型ロボットを戦闘機や戦車の代わりとして使って「いい的になるだけ」ならば、それは使い方が間違っているのです。巨大人型ロボットが実用化されても、戦闘機や戦車の代わりとして使われることはなく、戦闘機や戦車が無くなることはありません。

 同じく Q_0008 で述べたように、我々が巨大人型ロボットを人型(二腕二脚)とする理由は、人間パワー増幅技術による人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)には人型が最も適しているからです。ならば、巨大人型ロボットを兵器として使う際にも、オーグメンテーションの利点を活かす使い方をするべきです。つまり、強化歩兵です。

 巨大人型ロボットと戦闘機(あるいは戦車)はどちらが強いか、という議論が好きな人もいるでしょう。でも実際には、巨大人型ロボットが単独で戦闘機や戦車と戦わなければならないような状況は、それを招いた時点で既に戦術・戦略としては失敗していると考えるのが妥当です。

 人間の二腕二脚の統合された身体能力を拡張することができる、人が搭乗して思い通りに操る身長 2 〜 5 メートルの人型ロボットを、戦闘機や戦車の代わりではなく、強化歩兵という新たな一つのカテゴリとして戦術・戦略に適切に組み込むことです。そうすれば「いい的になるだけ」ということは決して無く、歩兵の戦技を飛躍的に高めて犠牲を減らし、戦術・戦略の幅を広げ、自衛権の強力な行使を支援することができるでしょう。日本の安全保障上、核武装よりもよほど人道的かつ現実的な方法ではないでしょうか。

筆者

Q_0021   あなたは日本人ですか?

uploaded at 2012.08.24 (fri) 12:35
revised at 2012.10.20 (sat) 12:19
revised at 2014.07.13 (sun) 20:05
last revised at 2014.12.05 (fri) 20:26

 実際にあった質問ですが、失礼ですね。筆者の名字に「金」が入っているからですかね。こういう短絡的な質問ができる人の人間性をまず疑いますが、放置するのも癪なので答えることにします。とはいえ、まともに答える価値もない質問だとも思いますので、質問で返すことにしましょう。『ジョジョ』の世界なら、吉良吉影にキレられそうですが、まあご容赦下さい。

 これを明確にした上で質問して欲しいものです。質問者は「純日本人」という概念を客観的に定義できると思っているのでしょうか。そして、自分が「純日本人」であることを疑っていないのでしょうか。おめでたいことです。例えば、自分の n 世代前の先祖の人数が 2 の n 乗であることを考えるだけでも、「純日本人」という概念の虚構性は明白です。

 筆者は、世界に誇れる日本の国民性の高貴な部分を愛し、それを自らも体現したいと努力しています。正義を愛し、人道を重んじ、礼儀を正し、平和を守りたいと。そのような日本の美徳を体現しようと努力することよりも、本人にはどうしようもなく、そもそも定義しようもない「血」を重視するのならば、それは「世界に尊敬される日本」を貶める偏狭です。人種や出生地に関係なく、日本人として祖国日本を愛する人が、日本人です。

 筆者に秘密などありません。国籍は日本です。本名です。自分の名前に誇りを持っています。日本で生まれ育った日本人であることに誇りを持ち、日本の文化を愛し、日本の良心を、日本の技術で具現化したいと考えています。だからこそ「ガンダム」なのです。

 もし「純日本人」をムリヤリ定義したとして、その定義に筆者が当てはまらなかったとしたら、こういう人々は一体どうするつもりなのでしょうか。筆者が日本のために貢献したいと思っていたとしても、とにかく冷遇するのでしょうかね。そうしてみすみす技術を海外に流出させてしまう。このグローバルな時代に時代錯誤の偏狭さを持つことこそ、国益を損なう行為です。

 国籍など関係なく、慧眼を以て、優秀な人、特に正当に評価されていない人を見い出し、日本で厚遇して働いてもらうこと。世界に尊敬される日本を目指すならば、それこそが取るべき態度ではないでしょうか。

Q_0022   あなたは左翼ですか?

uploaded at 2012.08.25 (sat) 11:11
last revised at 2014.12.05 (fri) 20:24

 京都大学→立命館大学という、かつて共に左翼運動が盛んだった大学に筆者が所属してきたからなのでしょうが、どうしてこうレッテルを貼りたがるのでしょう。思考停止の典型ですね。この複雑な世界が、白黒キレイに分けられるとでも思っているのでしょうか。おめでたいことです。

 筆者は工学研究者です。論理に従い、良心に耳を傾け、是々非々を判断します。守るべきところは守るべきです。改めるべきところは改めるべきです。結果として導き出した答えが、右寄りとカテゴライズされることもあるでしょうし、左寄りとカテゴライズされることもあるでしょう。しかし、言うまでもなく、筆者の人格がそれで決定されるわけではありません。

 そんなレッテルで理解したような気になるのではなく、是非このページを最初から最後まで熟読して下さい。巨大人型ロボットを開発することで筆者が何を成し遂げたいと考えているのか、ご理解頂けるでしょう。筆者にとって大事なのは、右か左かではありません。自らの生きた証として、少しでも日本を better にし、それによって世界を better にすることです。

Q_0023   あなたは教授ですか?

uploaded at 2012.08.26 (sun) 14:40
revised at 2013.09.29 (sun) 17:30
last revised at 2014.12.26 (fri) 11:42

 筆者の大学人としての正確な肩書は、

です(筆者のプロフィール全体についてはこちらを参照)。チェアプロフェッサーとは聞き慣れない言葉ですが、ここでの「チェア」とは endowed chair を意味しているようで、意訳すれば「寄附基金講座の教授」となるでしょうか。

 e-Rad での公式なカテゴライズも「教授」となっているのですが、筆者は現在、直接の学生指導から離れて研究開発に専念しており、またテニュアを得ている訳でもない、パートタイム・ナンチャッテ教授です。なので、「金岡教授」と呼ばれることには、若干の違和感があります。「金岡博士」と呼んで頂ければありがたいです。

Q_0024   あなたは研究資金を私物化するのですか?

uploaded at 2012.08.25 (sat) 11:11

 現在、筆者は直接の学生指導を行なっていません。これが意味するところは、教育の対価(つまり給料)を大学から貰っていないということです。筆者にはバックとなる組織がありませんから、寄付金は、研究者個人として集めて来なければなりません。寄付金が無くなれば寄付基金講座は維持できないので、大学の立場は追われることになります。日々自転車操業で、正直、お金はありません。むしろ生活費を、可能な限り研究開発費に振り分けているのが現状です。

 研究資金の私物化というのが具体的に何を意味するか分かりませんが、研究者の人件費を研究資金に含めるな、すなわち、研究者に研究で飯を食うな、研究は無報酬の趣味でやれ、ということならば、あまりに酷ではないでしょうか。

Q_0025   あなたは研究成果を海外に流すのですか?

uploaded at 2012.08.25 (sat) 11:11
last revised at 2012.10.05 (fri) 10:19

 日本で実用化したいですね。新しいロボットは日本から世界に発信したいですし、何より日本に貢献したいですから。しかし、国内で実用化できず、みすみす研究を腐らせてしまうようなら、海外での実用化も考えざるを得ないでしょう。

 もし、日本だと研究が評価されず「ガンダムとか、アホか」と言われ続け、研究では飯も食えない。その一方で、研究を正当に評価し、三顧の礼で迎えてくれる国があって、その国でなら実用化できそうだとしたら、筆者はどうすればいいのでしょう。そしてやっとのこと海外で実用化できたとすると、今度は「海外に流すなんて、非国民か」とか言われるとするならば、何をか言わんや、画家の藤田嗣治のように日本に絶望しても仕方ないでしょう。

 幸いにも今は、筆者の研究を正当に評価してくれる企業が国内にあり、筆者の希望は日本に在ります。その企業とチームを組んで、革新的なロボットを日本から発信すべく幾つかの開発を進めることができています。

 ただ、そもそも研究者である筆者の成果物は、研究開発中のものを除けば全て公開されています。我々の小さなチームでは、特許以外に先行者利益を確保する手段が無いので、それは致し方ないことです。できるだけ日本語で優先して発表するようにはしていますが、海外には筒抜けです。多くの国に特許を出して権利を押さえておきたいところですが、Q_0016 で述べたように、その資金も不足しています。とにかく、我々の技術と思想を理解し志を同じくする仲間を地道に増やしつつ、独自技術を他に先駆けて自家薬籠中のモノにしてゆくしかなさそうです。

Q_0026   あなたの髪はパーマですか?

uploaded at 2012.08.25 (sat) 11:11

 天パです。

参考文献

kzjbook_0002     [INFORMATION]
あのスーパーロボットはどう動く スパロボで学ぶロボット制御工学
 金岡 克弥(編著),
 木野 仁橋口 宏衛田原 健二菊植 亮吉田 晴行杉原 知道(著),
  日刊工業新聞社,ISBN 978-4-526-06406-7, 2010.

 上記の書籍が日刊工業新聞社より発売中です。スーパーロボットの羊の皮をかぶったロボット制御工学という狼がモノ申す、というスタンスで執筆されました。ロボット工学に興味のある中学生・高校生・大学生から現役のロボット研究者まで、ロボットにかかわるすべての方々に読んで頂きたい本です。
kzjweb_0039 2012 年 08 月 20 日(月)12:00-13:00 於 自民党本部
自民党オープンカフェスタジオ Café Sta カフェスタトーク 月曜担当・平将明議員
上記のインターネット生放送で、本気で考える自民党ガンダム開発計画を提唱する平将明衆議院議員と対談しました。マンマシンシナジーエフェクタ(人間機械相乗効果器)の概念に基づく「人が搭乗して思い通りに操る巨大人型ロボット」による「人間の身体能力の拡張(オーグメンテーション)」の実現可能性について議論しました。

【動画アーカイブ】
 カフェスタトーク 8/20 on YouTube
 カフェスタトーク 8/20 on Ustream.tv
 カフェスタトーク 8/20 on ニコニコ生放送
2011 年 02 月 16 日(水)12:30-13:30 於 自民党本部
参議院自民党政策審議会 勉強会
【題目】
 最先端ロボットには何ができないか? 日本が目指すべきロボット産業化の次世代ビジョン
【関連ページ】
 宇都 隆史 参議院議員 ブログ 僕らの手で、ガンダムを作ろう!
 山本 一太 参議院議員 ブログ 宇都隆史参院議員が持って来たガンダム製造計画
 平 将明  衆議院議員 ツイッターまとめ ガンダムは象徴であって、目標ではない。
 浜田 和幸 参議院議員 ブログ ガンダムは夢ではない
 J-CAST ニュース 自民議員の「ガンダム実現構想」産業振興としてマニフェストに!?

Updated on 27 February 2015 by Dr. KANAOKA